Samsungのbadaって、実はでかい野望ではないでしょうか?

Samsungが発表したbadaですが、実はSamsungの野望全世界版ではないかと思えてきました。

badaのページをみてもうたい文句ばかりで実体がかかれておらず。SDKのドキュメントを斜め見したところ、なんだかSymbian OSに似ている気がしつつ。

ROA社のアナリストによるレポートによれば、リアルタイムOSであるNucluesベースで独自プラットフォームを構築したとのこと。つまり狙いはMiddle TierのFeature Phoneの高機能化というところでしょうか。

以下、このレポートが正しい、と仮定して妄想してみますよ。

携帯電話端末シェア圧倒的No.1のNokiaの大部分の台数は、Low TierからMiddle Tierの端末が占めているのは有名な話。特にNokiaが近年力を入れているのは、Symbian OSをベースにしたS60プラットフォームの搭載をMiddle Tierにまで広げたこと。これにより開発費のかなりを占めるソフトウェアのコスト削減、およびS60コミュニティにはより大きな市場の提供をしてきました。

実際には機種ごとのパフォーマンスの差、機種依存機能など突っ込みどころはあるのですが、少なくとも開発ターゲットを絞らざるを得ないソフトハウスには、魅力的に見える努力を続けてきたわけです。また欧州のソフトハウスはPSIONのころからEPOCに慣れており、その発展系であるS60の開発者はわりと多く、それなりに市場にはソフトが出回っていたわけです。

おそらくSamsungにとっては、iPhoneと真っ向から勝負するよりも広大かつ成長市場である新興国マーケットを狙えるMiddle Tier端末をこれまで以上に力を入れたいと思ったのでしょう。もっといえば、シェアNo.1のNokiaを脅かすためには年間1億台クラブから倍なり3倍に成長することが必要で、そのためには新興国マーケット、さらには先進国であっても低価格でそこそこ機能の端末を充実させることが先決と思ったのでしょう。これは実はでかい野望ですよ。

Samsungの強みはグローバル企業でありながらローカライズが得意なところ。また各市場にあわせた製品を投入するため、あえてOSを1本に絞らずWindows Mobile、Symbian、自前(RTOS)、はてはAndroidまでなんでもそろえている柔軟性(節操のなさ)ですね。

とはいえ、今後のラインナップ充実のためには、ローカライズのコスト削減も必要なわけで、そこでMiddle Tierのプラットフォームをできるだけ統一したい、というのがbadaなのでしょうね。

さて、ここまで書いたことは、あくまでbadaがまともに動作する、しかも開発ツールやドキュメントが充実して開発者にいきわたって初めて成り立つことです。またbadaが全くの新規プラットフォームの場合、ある程度まとまった数の開発者が育つまで、Samsungがバックアップする必要もありますね。

携帯電話のプラットフォームは、過去あらゆる会社が手を出して様々な理由で失敗してきました。はたしてSamsungは新しいプラットフォームを持ち出して、広めることができるのでしょうか?

Nokiaが開発サイトのリストラで右往左往し、SonyEricssonがSymbianやらAndroidやらに手を出してホゲホゲになっている間に、Samsungの野望がどこまでいくのか、生暖かく見守りたいと思います。

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